2025.11.27

椙山女学園中学校

成長めざましい時期に本物に触れ、音楽を楽しんで欲しい

椙山女学園中学校の部活動の中でも歴史を誇る、60年以上続くフィルハーモニークラブ。顧問の中村暢宏先生はこれまでに国内外でプロのヴィオラ奏者として、また指揮者としても活躍されてきた方で、現在も椙山女学園中学校で教鞭をとる傍ら外部でも講師や演奏を続けています。教員であり、演奏家、指揮者でもある中村先生に、部活動の様子や想いを伺いました。

フィルハーモニークラブ顧問の中村暢宏先生
顧問の中村暢宏先生

スクールオーケストラの中でも、県内最大級の規模

フィルハーモニークラブは現在、中学生と高校生あわせて120名ほどが在籍する、五管編成も可能なフルオーケストラです。中学校と高等学校の合同で活動しており、高校3年生が務めるパートリーダーを中心に練習しています。中村先生曰く、「時に弦楽器は、ヴィオラを演奏してきた私が見て、さらには名古屋フィルハーモニー交響楽団やセントラル愛知交響楽団の演奏家を外部講師としてお招きすることもあります」とのこと。学校にいながら、プロの指導が受けられるところも魅力です。

演奏の練習風景
初心者も多いと感じさせない演奏活動
S.philのバッジ
S.philのバッジは「入部したんだ」と感じる証
演奏の練習風景その2
楽器を購入して自宅でも練習する部員も

5月の入部時に先生と高校3年生による面接を行い、まずは演奏したい楽器を第三希望まで書いてもらうそうです。「人数的なバランスも考えながら一人一人に合う楽器を提案します。必ずしも本人の希望が叶うとは限りませんが、合う楽器というのは、演奏すると手に馴染むもの。大抵の生徒は、経験をふまえた私の見立てや最上級学年のアドバイスを素直に受け入れて成長していきます。」その後、練習を重ねて、8月の合宿で椙山フィルハーモニーオーケストラメンバーの証である“S・phil”のバッジが渡されます。「部の設立当時の生徒さんが考えたデザインで、バッジを身につけるのは他の部活動にない、このクラブだけの伝統です。電車の中でバッジに気づいたOGの方が、定期演奏会のことを思い出して観に来てくれることもありますよ。」とのこと。歴代の卒業生たちとも、音楽でつながっているようです。

本格的な楽曲への取り組みや、本物に触れる魅力

活動の集大成となる定期演奏会に全員が正装で参加する様子
活動の集大成となる定期演奏会
本格的なクラシックコンサートである定期演奏会の舞台全景
休憩を挟んで約2時間という本格的なクラシックコンサート
2025年の定期演奏会チラシ
2025年度も難しい選曲に挑戦

毎年12月に愛知県芸術劇場コンサートホールで定期演奏会を開催しており、観客は一般の来場者も多いため毎回ほぼ満席になるそうです。曲目は高校3年生が選曲ノートに希望を書き、話し合いと投票で決めているそうで、「ノートにびっしりと曲の背景や魅力を書いて、みんなの前でプレゼンをして、それはもうすごい熱意」だそう。難しい曲をやり遂げたいという野望や憧れから、グスタフ・マーラーやドミートリイ・ショスタコーヴィチ作曲の難易度が高いとされる交響曲が選ばれる年もあるようです。

「当校フィルハーモニーの特徴は、初心者が多くても本格的な楽曲に取り組むことや、プロの指導、演奏を体験できることです。本物を体験して欲しいので、2018年には任意参加でオーストリアへの海外研修旅行も企画して、本場のウィーン楽友協会でウィーン交響楽団などのメンバーから特別レッスンも受けました。プロの演奏を聴いた生徒の、魂を持っていかれたような表情は今も忘れられません。」いいものをきちんと受け止められる感性と素直さを持つ生徒の多さも、私立中学の魅力と語ります。「私自身、音楽で大変だったことはあっても、辛い想いをしたことがありません。自分が楽しさをもらってきた分、生徒たちに還元したい。海外研修もまた行けるよう計画中です。」

ふとした出会い、全力で挑む勇気を大切に

経験豊富な先生ならではの指導や体験がある一方で、日々の練習では部員たちの自主性を重んじて「失敗してもいい、やりたいようにやってみよう」と伝えているとか。「パートリーダー達は、たとえ自分がうまく出来ていなくても、後輩たちへ勇気を持って指導する必要があります。普段は仲良しですが、言い過ぎて揉めることだってある。それでも、同学年で相談し合うなど小さな社会を構築して上手にまとまっています。皆どうやったら伝わるのか必死に考えるので、人間的にすごく成長していきますよ。」

各パートが演奏に集中している定期演奏会の様子
演奏でお互いを認め合い、絆を深める生徒たち

部活動から多くを学ぶことで、「就職活動でも学生時代の経験や自己分析をしっかりと話せるようになる」とのこと。「中学・高校時代の楽器や仲間とのふとした出会いが、やがて宝物になり、その後の人生に大きく影響する。そんな姿をたくさん見てきました。それは、どの部活動も同じことです。運命だと思って、1回そこに全力で挑む勇気を出して、チャレンジして欲しい。その先にはきっと、幸せな未来が待っているのではないでしょうか。」子ども達の挑戦と成長を見守る先生のもとで、今日も素敵なハーモニーが聞こえています。

愛知私立中学サイト編集部より【ひとこと感想】

演奏を楽しんで欲しいと語る先生のもとで本格的に学べる魅力、そうした先生が長年、同じ学校にいてくれる私立中学ならではの安心感も大いに感じました。フィルハーモニークラブは学校説明会でも演奏しているそうで、実際に演奏を聴き、入学を決める小学生もいると聞きます。それは単に演奏がかっこいいからだけではなく、先輩たちのひたむきな姿に心動かされるのではないでしょうか。

取材撮影日:2025年10月28日

今回ご紹介した中学校

椙山女学園中学校の校舎

椙山女学園中学校

〒464-0832 名古屋市千種区山添町2-2